病院長挨拶

公益財団法人 豊郷病院
理事・病院長
難波江 正浩

               2025(令和7)年 創立100周年を迎えるにあたって

             ~(公財)豊郷病院の創設者・伊藤長兵衛翁のこと~
 現在病院の西側、旧中山道沿いの職員用駐車場は伊藤長兵衛家屋敷跡であり、その一画には石碑と碑文があります。九代目長兵衛は、1868(明治元)年滋賀県犬上郡河瀬村大字犬方の若林久三郎の三男として生まれ、幼名は長次郎。16歳で博多の伊藤長兵衛商店へ丁稚奉公に入り、22歳のとき六代目長兵衛の養子となり、24歳でその子女や寿と結婚、翌1893(明治26)年に九代目伊藤長兵衛を襲名した。1909(明治42)年から1912(明治45)年までは豊郷村八代目村長を務めた。1921(大正10)年、伊藤長兵衛商店と伊藤忠商店が合併して(株)丸紅商店が誕生し初代社長に就いた。そして今から100年前の1925(大正14)年、篤実な浄土真宗門徒であり慈悲心にあふれた長兵衛翁(56歳)は巨額の浄財と敷地の大部分を寄付して財団法人豊郷病院を創設した。さらに、1927(昭和2)年には芦屋仏教会館を設立し仏教精神の普及に貢献した。長兵衛は晩年長堂を号し、1941(昭和16)年74歳で逝去された。        
 
 私たちは翁の報恩の精神に基づいた崇高なる設立の理念に深く敬服するとともに100年続いた当院の歴史の重みを改めて噛み締め、これからの100年を見据えて更に発展すべく日々努力を重ねて参ります。


2025(令和7)年4月